「リゾーリ&アイルズって、打ち切りだったの?」
配信で一気見してすっかりハマって、「シーズン8はいつかな」とワクワクしながら調べたら、シーズン7で終了していた。正直、ちょっとショックでした。だってあんなに面白いのに。ジェーンとモーラの掛け合いが最高なのに。なぜ終わっちゃったの?
気になって調べてみたら、この終了は単純な「打ち切り」とは少し違う話でした。人気作なのに終わった背景には、テレビ局の方針転換、制作陣の決断、そしてキャストにまつわる悲しい出来事まで、いくつもの事情が絡み合っていたんです。
今回は、リゾーリ&アイルズがシーズン7で終了した理由を、視聴率データやTNT局の発言も交えながらまとめました。「打ち切りだったの?」「続編の可能性は?」という疑問を抱えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
リゾーリ&アイルズはどんなドラマだったのか
まず、リゾーリ&アイルズがどんな作品だったかをおさらいしておきます。
リゾーリ&アイルズ(原題 Rizzoli & Isles)は、2010年7月から2016年9月まで、アメリカのケーブルTV局TNTで放送された犯罪ミステリードラマです。全7シーズン、全105話。テス・ジェリッセンの小説「リゾーリ&アイルズ」シリーズを原作としています。
主人公はボストン市警の刑事ジェーン・リゾーリ(アンジー・ハーモン)と、法医学者モーラ・アイルズ(サッシャ・アレクサンダー)。性格も考え方もまったく違う2人の女性が、バディを組んで凶悪事件を解決していくというストーリーです。
このドラマの魅力は、シリアスな犯罪捜査とユーモラスな人間ドラマのバランスが絶妙だったこと。ジェーンの直感型でガッツのある捜査スタイルと、モーラの科学に裏打ちされた冷静な分析。そしてその2人の間に流れる信頼関係と友情。正直、このコンビの掛け合いが楽しくて、事件の内容と同じくらい2人の会話シーンが待ち遠しかったです。
そしてこの作品、実はTNTの看板番組でした。2010年の第1話は視聴者数760万人を記録し、DVR(録画再生)を含めると約900万人。これはケーブルTVの商業ドラマとして、当時の過去最高デビュー記録だったんです。TNT歴代の視聴率ランキングでは、あの「クローザー」に次ぐ第2位。それくらい、アメリカでは大人気だったドラマでした。
ケーブルTVで常に全米視聴率の1位と2位を争っていた時期もあったというのだから、その人気ぶりは相当なものです。日本でも海外ドラマファンの間では根強い支持があり、「バディものの最高傑作の一つ」という評価をよく見かけます。
シーズン7で終了した3つの理由
じゃあなぜ、そんな人気作がシーズン7で終わったのか。調べてみると、3つの要因が重なっていたことがわかりました。
TNTのブランド方針が大きく転換した
一番大きかったのは、放送局であるTNTの経営方針が変わったことです。
2014年、TNTとTBSの会長にケヴィン・ライリーが就任しました。ライリーは就任後、TNTのブランドイメージを大きく変えようとします。それまでTNTは「クローザー」「リゾーリ&アイルズ」「メジャー・クライムズ」といった手堅い犯罪捜査ドラマで高い視聴率を稼いでいました。でもライリーは、もっと「エッジの効いた」作品、つまり新しい視聴者層を開拓できるような挑戦的な作品を求めたんです。
実際、この時期にTNTでは「ANIMAL KINGDOM」「クラウンズ」といった、従来とは毛色の違うドラマが次々と企画されています。リゾーリ&アイルズのような「安定した犯罪ドラマ」は、新しいTNTのブランドイメージとは合わなくなっていた。
これ、すごく皮肉な話だと思いませんか。視聴率は取れている。ファンもたくさんいる。でも「局のブランドを刷新したい」という経営判断の前では、人気作品でも終了の対象になる。テレビ業界の厳しさを感じます。
ちなみに、同時期にTNTの看板だった「メジャー・クライムズ」も2018年にシーズン6で終了しています。TNTの方針転換は、リゾーリ&アイルズだけでなく、従来型の犯罪ドラマ全体に影響を及ぼしていたんですね。
制作陣と主演キャストが「やりきった」と判断した
2つ目は、作品に関わる人たちの意志でした。
TNT社長のケヴィン・ライリーは、テレビ批評家協会の記者会見で「シーズン7がファイナルシーズンになる」と発表した際、こう述べています。「みんなが納得して終わることにした。プロデューサーたちも、シリーズは十分にやりきったと感じている」と。
7シーズン105話。これは海外ドラマとしてもかなりの長寿シリーズです。物語として描ける範囲はしっかり描き切った、という判断だったのでしょう。
主演のアンジー・ハーモンとサッシャ・アレクサンダーも、報道によるとこれ以上の継続を特に望んでいなかったようです。長年同じ役を演じ続けることのプレッシャーと、役者として新しい挑戦をしたいという気持ち。7年間一つの作品に捧げたのだから、その気持ちはよくわかります。
大事なのは、これが「やめさせられた」のではなく「やめることを選んだ」終わり方だったということ。視聴率の低迷で打ち切られるのとは、根本的に意味が違います。
視聴率は緩やかに下降していた
ただ、正直に言えば、視聴率の推移も無関係ではなかったと思います。
シリーズ第1話の視聴者数は760万人でしたが、シーズンを重ねるごとに少しずつ減少していきました。シーズン4の平均視聴者数が約524万人、シーズン7では約407万人。ケーブルTVとしてはまだまだ立派な数字でしたが、ピーク時と比べると下降トレンドにあったのは事実です。
graph LR
A[シーズン1
760万人] --> B[シーズン4
524万人]
B --> C[シーズン7
407万人]
style A fill:#4CAF50,color:#fff
style B fill:#FF9800,color:#fff
style C fill:#f44336,color:#fff
ただし、これはリゾーリ&アイルズに限った話ではありません。2010年代半ば以降、NetflixやHuluといったストリーミングサービスが急速に普及し、ケーブルTV全体の視聴者数が減少していた時期です。リアルタイム視聴からオンデマンド視聴へと視聴習慣が変わるなかで、どんな人気番組でも数字が下がるのは避けられなかった。
個人的には、視聴率だけで「終わった」と判断するのは早計だと思います。407万人って、日本のドラマの視聴率に換算したらかなりの高数値ですからね。やはり終了の主因はTNTの方針転換と、制作陣の「有終の美」判断だったと見るのが妥当だと感じました。
フロスト刑事役リー・トンプソン・ヤングの悲劇
リゾーリ&アイルズの歴史を語る上で、避けて通れない悲しい出来事があります。バリー・フロスト刑事を演じていたリー・トンプソン・ヤングの死去です。
2013年8月19日、リー・トンプソン・ヤングはロサンゼルスの自宅で亡くなっているのが発見されました。29歳でした。双極性障害を患っていたことが後に明らかになっています。
リー・トンプソン・ヤングは、子役時代からディズニー・チャンネルのドラマ「フェイマス・ジェット・ジャクソン」で人気を博していた俳優です。リゾーリ&アイルズではシーズン1からフロスト刑事としてレギュラー出演し、ジェーンの頼れるパートナーとして愛されていました。
この出来事は、ドラマの中でも丁寧に扱われています。シーズン5第2話「メモリー…GOODBYE」では、フロスト刑事が帰省中に交通事故で亡くなったというストーリーが描かれ、チーム全員で葬儀を行うエピソードが放送されました。その後のシーズンでも、ジェーンがフロストの幻を見るシーンがあり、キャラクターとしての存在が忘れられることはありませんでした。
キャストとスタッフにとっても、この出来事がどれほど大きかったかは想像に余りあります。毎日一緒に撮影していた仲間を失った後も作品を続けたこと、そしてその喪失を作品の中に丁寧に織り込んだこと。制作陣の誠実さが伝わるエピソードだと思います。
なお、この出来事は直接的にシーズン7での終了理由とは関連していませんが、作品の雰囲気やキャストの心情に影響を与えた可能性はあります。同僚の死という経験を経て、「この作品を大切に終わらせたい」という思いが強まったとしても不思議ではありません。
最終回「新たなチャプターへ」の結末
シーズン7の最終話、第13話「新たなチャプターへ」(原題 You’re Gonna Miss Me When I’m Gone)は、多くのファンが「良い終わり方だった」と評価しています。
最終話の事件パートでは、ベッドの支柱に手を縛られた状態で死亡していた男性の捜査が描かれます。首が折れており、過激なプレイに見せかけた殺人の疑い。半年前に結婚したばかりの妻は行方不明。いつも通りの緊張感ある捜査が展開されます。
でもこのエピソードの本当の見どころは、事件の結末ではなくジェーンとモーラの決断です。
ジェーンはFBIアカデミーの教官として新たなキャリアをスタートさせることを決意。一方のモーラは、パリで本の執筆に取り組むことに。7年間ボストンで一緒に事件を解決してきた2人が、それぞれ新しい道を歩き出す。
個人的にグッときたのは、ジェーンが当初FBI着任を先延ばしにして、モーラと一緒にパリに行くことを選ぶシーン。7年間のバディがお互いを大切に思っている気持ちが、セリフ以上に行動で伝わってくるんですよね。
この最終回の出来を見ると、制作陣が「シーズン7で終わる」と決めた上で、しっかりと物語の着地を用意していたことがわかります。突然の打ち切りで尻切れトンボになるパターンとは明らかに違う。ここが、リゾーリ&アイルズの終了が「打ち切り」ではなく「完結」だったと言える最大の根拠だと思います。
よくある質問
リゾーリ&アイルズのシーズン8の予定はある?
現時点でシーズン8の制作予定は発表されていません。TNTの社長が「シーズン7がファイナル」と公式に発言しており、制作陣も合意の上での終了でした。スピンオフや映画化の公式発表もないため、続編が制作される可能性は低いと考えられます。ただし、原作のテス・ジェリッセンの小説シリーズはドラマ終了後も新作が発表されており、小説で物語の続きを楽しむことは可能です。
リゾーリ&アイルズは今どこで見られる?
日本では、動画配信サービスでの取り扱い状況は時期によって変動します。過去にはHuluやU-NEXTなどで配信されていた実績がありますが、最新の配信状況は各サービスの公式サイトで確認してみてください。DVDやBlu-rayのレンタル・購入でも全シーズン視聴可能です。WOWOWオンデマンドでも一部シーズンが配信されることがあります。
原作小説とドラマの違いは?
テス・ジェリッセンの原作小説は、ドラマよりもダークで重厚な医療ミステリー寄りの作風です。ドラマではジェーンとモーラの友情やユーモアが強調されていますが、小説ではより凄惨な事件描写や心理的な緊迫感が前面に出ています。キャラクターの設定にも違いがあり、小説のモーラはより孤独で影のある人物として描かれています。どちらも面白いので、ドラマが好きなら小説も楽しめるはずです。
まとめ
リゾーリ&アイルズの「打ち切り」の真相をまとめると、結論としては「打ち切り」よりも「円満終了」に近い終わり方でした。
終了の背景にあったのは、TNTのブランド方針転換、制作陣と主演キャストの「やりきった」という判断、そして緩やかな視聴率の下降。ケーブルTVの歴代2位を誇るほどの人気作でしたが、テレビ業界の構造変化の中で、「良い形で終わらせる」ことを全員が選んだんです。
リー・トンプソン・ヤングの悲劇は作品にとって大きな影を落としましたが、制作陣はその喪失を誠実に作品に反映させました。そして最終回では、ジェーンとモーラがそれぞれ新しい道へと旅立つ、温かいラストが用意されていました。
調べてみて思ったのは、「終わり方を自分たちで選べた作品」は幸せだということ。海外ドラマでは視聴率低迷で突然打ち切られ、物語が宙ぶらりんになるケースも少なくありません。そんな中で、7シーズン105話を走りきり、ファンが納得できるエンディングを迎えられた。リゾーリ&アイルズは、ドラマとしての幸せな最期を迎えた作品だったんじゃないかと、個人的には思います。
まだ見たことがない方は、安心して全シーズン楽しんでください。最終回まで見終わったとき、きっと「いいドラマだったな」と思えるはずです。